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UEFAチャンピオンズリーグに見る英国人的サッカーバルの楽しみ方 |
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〜2005年2月23日 アイリッシュパブ「Temple
Bar」に潜入レポ〜 |
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今日はチャンピオンズリーグ、FCバルセロナ対チェルシーFCの決勝トーナメント1回戦ファーストレグ。優勝候補に挙げられた2チームの対決であるが、ここまでシーズンを通してバルサを見てきた限り、今シーズンのバルサが負けるはずもない。バルサのホームで行われるこの試合を、私はあえてバルセロナにあるアイリッシュパブで見ることにした。スペインのバルセロナでも、中心街の観光スポットには多数のアイリッシュパブがあり、お店にはスポーツ観戦用の巨大スクリーンも設置され、毎週末サッカー観戦目当ての地元民・外国人達でにぎわっている。ここに試合当日の今日、バルセロナに住むイギリス人、チケットにあぶれたチェルシーファンが集結。バルセロナの市街地中心部にあるバルにもかかわらず、お店の中のファン比率はバルサ1:チェルシー9! バルサファンの居場所がない…。 それにしてもスキンヘッドが異常に多い。さらには体格までいかつい。しかし、見た目に似合わず、実は弱気なかわいい彼ら。試合予想をきいてみると、「1-1の引き分け。お互い強いチームだからねー」「1-4で負けるかも…。だってバルサ強いんだもん」と、まあネガティブなこと。もちろん、そんな意見とは裏腹に、彼ら自身はすでにビールでできあがっており、テンションはとても高く、お祭り騒ぎにむけて準備は万端である。 試合序盤はバルサペースで進み、少数のバルサファンが「こりゃいける!」という雰囲気になる一方、チェルシーファンはなんとも不安な面持ち。ビールを口に運ぶ行為さえも忘れている。しかし、32分、まさか、まさかの先制点がチェルシーに入った瞬間、表情は急転!こぶしを高く突き上げ、雄叫びをあげる!ドスンドスンと跳びはね、周りと抱き合う!そして、“チェルシ〜モウリニョ〜”の大合唱! その勢いはハーフタイム中も治まることなく、あちこちでビールのおかわりが。おかげでバルは大繁盛。前半の出来に満足し、酒に酔いしれたチェルシーファンの気分は最高潮に達し、この調子でいけば、引き分け、いや勝ちだー!という声も少なくなく、試合前とは打って変わって楽観的になったファン達が印象的だった。数でも試合でも劣勢のバルサファンは、黙って飲むか友人と文句を言い合っているだけ。ここはバルセロナのはずなのに、どうもバルサファンは肩身が狭い。 後半になるとある異変に気がついた。あからさまに減っているのだ、あの熱のこもった応援が。その原因とは・・・どうやら生粋のチェルシーファンは少なかったみたい。チェルシー応援サイド9割の中には、トットナムやエバートン、フルハムのファンもいて、チェルシーラブ!というわけではない。そんな彼等は試合よりもお酒、または女の子とのお話しを楽しんでいる。チェルシーのFWドロクバが退場になった時も、一様に不満を口にするものの“所詮は他人事”という感じが伝わってきた。 しかしである!そんな彼らも、マンチェスター・UがACミランに負けているとの情報がテレビに出ると、大喜び!!前日のアーセナル対バイエルンでもバイエルンが得点するたびに歓喜の声があがるという光景が展開されていたのである。どこにいようと、何をしてようと本当の敵は誰なのかを忘れてはいないようだ。 チェルシーに1点を先制されたバルサだったが、後半に入り2点を返して遂に逆転勝ち。店内は、満足そうな少数のバルサファンと、お酒と女の子とサッカーが目的のイギリス人、そして、心から残念がっているチェルシーファンという三者三様に。チェルシーファンはスコアが1-1になった時点で「こりゃ負けるわ。。。」とつぶやき始め、明らかに諦めモードに入っていた。2点目が入った時は、事前に覚悟していたのか、たいしたリアクションはおこさず。 試合後、失望にくれる生粋のチェルシーファンを見つけ、試合の感想を質問する。「バルサの選手で印象に残ったのは誰?」と聞くと「マキシとデコ」と答えてくれた。マキシは途中出場にもかかわらず1ゴール1アシストの大活躍。実際、試合前は無名だった彼だが、たった20分間のプレイで、チェルシーファンの脳裏にはっきりとその名を刻みこんだ。さらにデコが印象に残った理由については、「ファウルでもないのにすぐ転ぶ。卑怯だ!」と怒りのコメント。この日一番大きなブーイングが起こったのは、デコがファウルをもらおうと派手にダイブした瞬間だったことが思い出される。そして、最後にこの二人にメッセージを残してくれた。 バルとサッカーを結びつけたのは、最高のアイデアである。サッカーを楽しみたいけれど、スタジアムで観るお金のない人たちが共有できる幸せな90分間。お酒のおかげで、サッカー観戦をする人々は喜怒哀楽を最大限に表現することができる。試合に勝てば二重の快感、負けてもお酒がフォローしてくれるのだから、アフターケアにも事欠かない。 このバルでも見られたように、サッカーとお酒の関係は2つのタイプに分類されると思う。サッカーを楽しむためにビールを飲む人がいる一方で、サッカーをつまみにしてビールを楽しむ人もいる。どちらを重視するのかが違うだけで、目的は同じ、“楽しむこと”に変わりはないのだ。 そして、今回思ったことだが、サッカーの試合をもっと楽しみたい人には、あえてアウェイチームのサポーターにまじり、試合を観ることを提案したい。というのも、自分の応援するホームチームが勝った場合には、サッカーそのものを楽しめるだけではなく、さらには、相手サポーターの悔しそうな表情を見て快感を得ることもできるからだ。なんとも意地悪い考えではあるけれど、これはサッカーとビール、さらに+αの優越感を楽しめる、外国人的サッカーの楽しみ方なのである。楽しさを求める人、そして“S”のあなたは、一度アウェイサポーターの集まるバルに行ってみてはいかがだろうか?
加藤遼也 1983年生まれ。愛知県出身。南山大学スペイン・ラテンアメリカ学科に在籍。休学を申請し、現在はバルセロナに留学中。バルセロナでは大久保に関わる記事の翻訳を担当中。 |
▼クリックで大きな画像を開きます バルセロナの繁華街にある… バルサの象徴としてチーム… バルサの戦術において重要… 大画面でサッカー中継を行… 立つ場所もないぐらい混雑… クラブのエンブレムをタト… ハーフタイムに一休憩。知… クラブのユニホームはサポ… この試合の前日には、R・マ… 04-05シーズンの補強の目玉… |
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